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完璧を求めない

「要領がいい」というのは処理の仕方がうまい、あるいは手際がいいという意味です。仕事を効率的にできるので、要領のよさは本人にも周りの人間にもプラスの影響があります。要領よく仕事をするには完璧さを求めず、適当に行うということが重要になってきます。

完璧を求めるということとその弊害

完璧を求めるというのは、失敗や間違い、矛盾や逸脱が一切ないように物事を行なおうとすることです。完璧主義は、自分や自分の置かれている環境が完璧でなければならないという不合理な考え、完璧でないものを一切受け入れることができない性向などと定義されてきました。また、完璧主義者は完璧になれると錯覚しており、またそうでなければならないと考えています。仕事を含め人生において全く失敗しない人は一人もいないので、完璧を求めていると当然弊害が出てきます。たとえば、自分が完璧に仕上げたと自負している仕事に対して建設的な批判や助言が与えられても、それを受け入れることができず、自分は無価値な人間だという極端な考え方をすることがあります。また、完璧を求める人には、完璧にできないなら初めからしない方がいい、つまり100でなければ0という思考があり、この考え方の背後には失敗するのが怖いという心理が潜んでいます。ですから新しい分野に挑戦できなくなり、進歩や向上も妨げられます。完璧を追求するあまり、睡眠時間や休息の時間を削り、心身ともに疲弊してしまうこともあります。実際に完璧主義の人は、慢性的な怒りや欲求不満、罪悪感や自尊心の欠如、摂食障害、うつ病などに悩まされる可能性が非常に高くなっています。

要領がいい人は「適当」である

要領がいいというのは、物事を効率的にできる人のことです。なぜ効率的にできるかといえば物事を適当にすることを心得ているからです。ここでいう適当とは、いい加減にするということではなく、程度が「ほどよい」ということです。要領がいい人はすべてを完璧にこなすことはできないことと、そうする必要がないことも認識しています。19世紀のイタリアの経済学者でヴィルフレド・パレートという人がいますが、彼は結果の80%は20%の努力によってもたらされると考えました。これはパレートの法則あるいは80対20の法則と呼ばれています。たとえば、部屋のカーペットに掃除機をかけたとします。全体に掃除機をかけたとしても、吸い取られるごみの80%は、カーペットの中でも人がよく通る20%の部分から吸い取られたものだということです。このパレードの法則を適用するなら、人が通る20%の部分を丁寧に掃除すれば、仕事全体の80%は成し遂げたことになります。物事を適当に行える人はこの80対20の法則が身についていて「ほどよく」仕事を行います。すべての作業に同じ労力を使うのではなく、重要な部分を見極めて、そこにより多くの時間と労力を注ぐことにより、全体として達成度の高い質の良い仕事ができます。

適当さは人と作業効率を向上させる

また、物事を適当に行える人は効率よく仕事ができるというだけではありません。自分の能力に対しても「ほどよい」評価を与えているので、失敗してもさらに向上することができます。自尊心は持っていますが、完璧主義ではなくミスは起こり得ると考えているので、自分の成し遂げた仕事を批判されたり、成果に関して助言を受けたりしても、それを謙虚に受け入れ改善を図ることができます。この前向きな姿勢は物事を要領よく、つまり効率的に行うのに非常に重要です。批判されて失意から抜け出せない状態で仕事をしている完璧主義者は、その消極的な感情が妨げとなって、作業効率がかなり悪くなります。それに対し自分の能力に「ほどよい」評価を与えている人は失意に打ちひしがれてしまうことはないので、積極的に仕事に取り組むことができ、結果として作業効率も向上します。このように物事を要領よく、つまり効率的に行うには適当さ、ほどよさというのが非常に重要です。完璧を追求するのは一見良いことのように思えますが、むしろ弊害のほうが多いのです。